現在中学2年生の幸一が6年生の時の17年6月、運動会の翌日全身がパンパンにむくみ、病院に行きました。近くの病院では原因が解らず、大学病院を紹介され検査を受けると、その場で絶対安静、即入院と言われました。病名は「特発性拡張型心筋症」原因不明で、心臓が拡張し、心機能が低下、いつ突然死するか解らない、短命、先生の言われている意味が私達には、理解できませんでした。

  幸い幸一は一時大変元気になり、このまま良くなるようにも思えました。先生からも「よく助かりましたね!命を拾ったと思いなさい。これからは、この心臓を大切にして生活をするように、」と言われました。当時心臓移植についてもお話をお聞きしましたが、日本での心臓移植は出来る可能性がない事、海外での移植手術では多額な費用と、あまりにも沢山の方にご迷惑と負担をかける事、又移植手術の危険性等考えると、私達の出来る事ではない、心臓移植はしないものと、思ってきました。

  しかし、昨年の8月からの先生方の診断は今までのものとは、一変しました。「一日も早く心臓移植をしなければ間に合わない」「命との天秤です」そう宣告された時、あんなに移植手術はしないと思ってきたのに、一瞬の迷う間もなく、海外での移植手術をどうかさせて下さい。そうお願いしました。 発病して2年半、このまま治るものと感じたり、いつか病気が進行し厳しい状況を受け入れなければならないのかと悩んだり、葛藤の日々でした。いつ突然死するか解らない、人間の生と死に向き合う2年半でした。入退院を繰り返す中たくさんの難病と闘う親子にもめぐり合いました。厳しい病状、それでもみんな必死に生きている。今この一瞬一瞬を一生懸命、生きる事が後悔しない人生になるはず!そんな気持ちが、一生懸命生きる事のみが、死の恐怖を乗り越えられる唯一の方法でした。

  幸一とはこの病気を通し色々な事を語り合って来ました。親子で語り合った分深い絆が結ばれたような、幸一とは生死を乗り越えて、この子と別れる事はないのだ、ずっと心は一緒にいられる。そう感じるようになりました。幸一も心は同じだったのでしょう。目の前の出来る事を一生懸命する子でした。 運動会では、入場行進に参加出来たと、とても喜んでいました。又運動を出来ない幸一は放送係りをさせて頂きました。学校で参加できる授業は、1時間だったり、それでも自宅で勉強して、試験を受け平均点が採れると、とても喜んでいました。

   しかし昨年6月頃より学校には出席出来なくなってしまいました。空を見られる事、コンビニに行ける事、友達に会える事、そんな事にとても感動する子です。 いつも明るく、笑顔の絶えない子ですが、幸一の心臓には限界が近づいています。 九大の先生からは、10日生きられるか5年生きられるか解らない、そう言われた時どうして良いのか解らず涙が止まりませんでした。しかし、福大病院、こども病院、九大病院そして阪大病院の先生、多くの先生に診断して頂く事が出来き、1年以内の生存率は50%でしょう。幸一の心臓は拡張し、心臓の一部が頑張っている状態で、右心室も通常の3倍に腫れ、不整脈が多く3連発は普段からみられ、10連発が出ると危険でしょう。一日も早く心臓移植を!という道を開いて頂きました。

  昨年、12月3日大阪大学病院検討会にて、移植対象と認定、その後日本循環器学会心臓移植適応の承認を受けました。12月12日には阪大の福嶌先生より本人へ告知して頂き、大変なリスクはあるけれど、ドナーの方の心臓を友達と思って大切にして!と暖かい言葉を頂き、幸一も「頑張る、俺は絶対笑顔で生きて行きたい」と決意しました。 現在九大病院に通院しながら、自宅療養待機中で、アメリカのニューヨーク、コロンビア大学病院に受け入れが決まりました。

  海外での移植手術を決意したものの、ただ動転するばかりで、どうして良いか解らずにいた時、たくさんの方から応援するよ!成功するよう祈っているよ!と声を掛けて頂き、幸一を助ける会を発足して頂きました。地域、学校、同業者、友人、知人の皆様、そして病院の、強力なネットワーク、コーディネートしてくださる方々のサポート、皆様にめぐり合う事が出来なかったら、私達の海外での移植の決意をつらぬく事は出来なかったかも知れません。この奇跡的な数ヶ月、不可能が可能になる毎日、私達の不安は希望に変わりました。移植手術は不安や怖い事も一杯あるけど、幸一が元気になったら、走れる、あんなにやりたがっていたテニスがもう一度出来る、友達と遊びに行ける、そんな事を考えるとやっぱり嬉しくなります。今までの安静の為だけの入退院の日々とは違うものがあります。

  移植手術は、生きる希望です。生きる事への挑戦です。一日も早く日本でも海外と同じように臓器移植治療が出来る事を願っています。 どうか幸一が生きるために、海外での心臓移植手術が実現出来る為に、皆様のお力をお貸し下さい。皆様の暖かいご理解とご支援をどうかよろしくお願い申し上げます。


大ア 敏幸
栄弓